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  • 執筆者の写真樋口

「骨卒中」に気をつけましょう

みなさんは、「骨卒中」という言葉を聞いたことがありますか?


「骨卒中」とは、「骨に突然起こる重篤な障害」を意味する造語です。つまり、高齢者の骨折は、寝たきりになることもあり脳卒中と同様に「ある日突然起きて命を脅かす」ことから「骨卒中」とも呼ばれるそうです。


そして、「骨卒中」の主な原因となるのが骨粗しょう症です。骨粗しょう症は、骨のカルシウム分(骨量)が減り、骨の強度が低下してしまう高齢者に多い病気です。


骨量(骨密度)は、10代から徐々に増えていき、20歳ころにピークを迎え、40歳くらいから徐々に減少していきます。


そのため、骨粗しょう症予防には若い時からの生活習慣が重要になります。無理なダイエット、偏った食事、喫煙、過度の飲酒などは、骨粗しょう症のリスクを高めます。


最近、テレビの番組やニュース等で骨粗しょう症の増加の話を耳にすることが多くなっています。コロナ禍の長期自粛生活で外出や運動の機会が減り、筋力や体力の低下を感じている方が増えているのではないでしょうか。


骨量低下を緩やかにし、骨粗しょう症を予防するには、骨密度を上げる「骨の貯金」が必要で、栄養・運動・日光浴がポイントとなります。


【栄 養】


ふだんの食事から以下の栄養を積極的に摂りましょう。


・カルシュウム(骨の構成部分)


牛乳、ヨーグルト等の乳製品、野菜類や海藻、骨ごと食べられる魚、豆腐などの大豆製品


・ビタミンD(カルシュウムの吸収、再吸収)


鮭やイワシの丸干し、きのこ類 (日本人に不足している)


・ビタミンK(カルシュウムが骨に沈着するのをサポート)


緑黄色野菜など


【運 動】


予防のために以下のような運動をしてみましょう。少しきついと感じる程度の負荷をかけるのがコツです。やりすぎると体に負担がかかるので、無理のない程度に行いましょう。


・片足立ち(左右1分ずつ1日3回を目標)


腰に手を当て、軽く片足を上げてキープします。ふらつく時は、無理をせず壁や椅子などに手を添えてまっすぐ立ちましょう。


・かかと落とし(1日30~50回を目標)


かかとを上げてつま先立ちになり、骨に軽く衝撃を感じるくらいの勢いでかかとをストンと落とします。ふらつく時は椅子の背に掴まりながら行いましょう。


【日光浴】


ビタミンDは、食事だけではなく日光に当たることでも体内で生成されます。15分~30程度を目安に屋外に出てみましょう。


朝早くなど、さほど日差しの強くない時間帯がお勧めです。夏の暑い時期は、なるべく昼間の外出は避け、必要に応じて日傘や帽子などで対策しましょう。


筋肉量が多いと、骨量も多いことが分かっています。適度な運動で筋肉量を増やすことができます。ウォーキングやジョギング、球技、筋肉トレーニングなど、骨に荷重がかかる運動であれば、骨粗しょう症の予防効果が見込めます。


若いからと過信せず、早くから骨粗しょう症予防を意識して運動を始めることをお勧めします。


また、高齢者の方も今からでも決して遅くはありません。自分の体力に合った運動があります。まずは簡単な動きから始めてみましょう。

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