樋口
コロナ禍の中で春を迎えて
今年の冬は寒さが厳しく、日本海側は北海道から山陰にかけて大雪が降りました。コロナ禍による外出自粛で、ますます家に閉じこもることになり、この冬は、体を動かすことがとても減ったのではないでしょうか?
私の周りにも、病院に行った時にたまたま検査を勧められ、骨粗鬆症が分かった人や、お母様の介護のために月に2~3回通っていた体操教室を3か月間休むことになり、その間に足腰が弱って、些細なことで足首をひねって骨折された人がいらっしゃいました。ともに、60歳前後の方です。
他にも、体力が落ちた、外に出るのが億劫になったという話をよく耳にします。この冬、寒さとコロナ禍で、外出や運動をする機会が減ったことが、怪我や体力の低下を招いていると言えそうです。
「フレイル」という言葉をご存知でしょうか。
「加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態」いわゆる「虚弱」のことを言います。つまり、介護が必要になる前段階のことです。
高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、様々な合併症も引き起こす危険があります。しかし、フレイルは、早く介入して予防・対策を行えば、元の健常な状態に戻る可能性があります。(健康長寿ネット、公益財団法人長寿会科学振興財団のウェブサイトより)
フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけではなく、気力低下などの精神的な変化や社会的なもの(閉じこもり、孤立、孤食)も含まれると言われています。これらの予防として推奨されている中の一つが運動です。
・ウォーキングや水泳、水中歩行などの有酸素運動
・筋肉の柔軟性を高め、関節の動きの改善を促すストレッチ
・筋力を強くし、筋肉量の増加が望める筋力トレーニング
・転倒防止や歩行速度を高める為のバランス訓練
(厚生労働省、フレイル予防に向けたアクティブラーニング形健康教育介入の効果、上村一貴より)
私達が推奨する健康体操は、フレイル改善につながっています。コロナ禍で引き起こしたフレイルも、体操によって少しずつ改善され、いずれ健康な状態を取り戻すことができると思います。自分の健康を守るためにも、私達と楽しく健康体操を続けていきましょう。